カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
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猿みたいだ。
わたしは塩谷瞬くんの動きを見た時に、そう思った。
ランチタイムで満席に近いはぴねすのフロア。そこで走るでもなく、歩くでもなく、程よい速さで動き回る瞬くん。
テーブル席で注文を聞き、厨房でそれを伝える。その足で出来たメニューを客席まで運ぶ。全く隙のない動きだ。
瞬くんははぴねすで働き始めて長いんだろうか。手慣れているというか、要領をよくわかっている。
混雑するランチタイムだけど、瞬くんのおかげで次々にお客さんも入れ替わっていく。
「ああ見えて、すごいな」
素直に感動してしまう。
そんな瞬くんの活躍で、夏彦さんはカウンター席の接客に集中出来ているみたい。
何か常連さんと話をしているけど、夏彦さんみたいな無口な人がどんな話をしているか気になる。