カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
ただ、まだ一切品出しをしていない。雑貨の場所とか、ラインナップとか、軽く把握は出来たけど……わたし、接客出来るの!?
と、言ってる間に何人かが雑貨コーナーに来てくれた。嬉しいやら、緊張するやら、わたしの心臓がバクバク!
「いらっしゃいませ!」
各々に雑貨を見始めるお客さん。階下を見てみると、入口付近に溜まっていた人は少なくなっている。何とか上手く誘導出来たみたい。よかった。
雑貨を見ている人の中には高校生くらいの若い男女がいる。あれ、学校は休みなんだろうか。
あー。テストの関係かな。卒業してだいぶ経つから忘れちゃったけど、テスト前は午前中だけとか時間が違ったよね。
「先輩。こっちにアクセサリーがありますよ」
「可愛いね」
「あー。でも、可愛いよりもカッコイイ方が先輩好みですか?」