カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。

 どうやら女性の方が先輩みたい。付き合ってるのかな。


 いいなぁ。そういう青春出来る時間。本当に羨ましい。もう、すごく二人が輝いて見えるよ。
 そうじゃない。接客しなきゃ。



「うん、やっぱりカッコイイ方が好きかな。どれが似合うと思う?」

「僕は、可愛いのを付けて欲しいんですけどね」



 あ。何やら困ってるみたい。いい雰囲気だった二人にちょっと距離が出来てる。



「何かお探しですか?」



 わたしはまた何も考えずに声をかけてしまった。


 新人のわたしにどこまで出来るんだろう。でも、お客さんにとって新人かベテランかなんて関係ない。やらなきゃ!



「すごく迷惑な悩みがあって……」

「どうぞ、言ってみてください。出来る限りのお手伝いをさせていただきます」



 戸惑いながら可愛らしい顔をした彼氏が説明してくれる。


 話を聞けば、割とボーイッシュ系な彼女はカッコイイものが欲しい。でも彼氏はせっかくだから可愛いものを付けて欲しいらしい。


 両極端!!

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