カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。


 ***


 わたしは気持ちを切り替えるために、適当な場所で食事をとった。


 今日は時間がある。わたしはアパート探しに時間を費やすことにした。まず住む場所を決めなきゃ夏彦さんに申し訳ない。


 新しい生活!
 そのために頑張ろう!


 わたしは出されたレモンティーを一気飲みして立ち上がった。



 でも、数時間後……。



「高い……」



 不動産屋などに行ったり、スマートフォンで検索したり、ネットカフェでパソコンを使ってみた。


 しかし、今まで住んでいた会社が所有する寮は正直安かった。


 当たり前のことだが、普通にアパートを探せばどこも高い。
 値を下げれば、それだけ住みにくくなるし遠くなる。


 それに、仕事を始めたから何とかなるかと思っていたけれど、わたしはまだアルバイトな身分。
 不動産屋さんの反応が悪い。あからさまに困っていた。


 どっかで妥協しなきゃだよね。いつまでも夏彦さんに甘えているわけにはいかない。

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