君のひだり
私はその場にしゃがみこんで紙を握りしめて、声を上げて泣いた。


私と同じ気持ちだったなんて知らなかった。


蒼瀬がこんなふうに思ってくれていたなんて知らなかった。


こんなに近くにいたのに、私は知らないことだらけだ。


しかも、やり方が賢すぎるよ。


ソネット集の真似して最後にこんなメッセージをくれるなんて。


やっぱり蒼瀬はずるい。

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