君のひだり
「帰ってきたのは昨日。連絡しようかと思ったけど、驚かせたかったから。驚かせるっていうより泣かせちゃったけど。」


そう言って笑う蒼瀬は半年前と全然変わらない。


「えっ、てことは手術は?」


「成功したよ。もう、右耳も聞こえる。」


「・・・・・・・・・・良かったっ!」


そう言ってまた泣き出す私を蒼瀬はぎゅっと抱きしめてくれた。


「俺のソネット集分かった?」


私の耳元で話す蒼瀬。

< 129 / 136 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop