君のひだり
私のお気に入りのテーブルに案内してメニュー表を蒼瀬に渡す。
「凄いな!和食も洋食もある。・・・・ん?ねぇ、この番号の下に書いてあるのってどういう意味?」
指さされた場所を見ると1 ハンバーグと書いてあってその下に[初めての手料理]と書いてある。
「これはね、お母さんとお父さんとの思い出が書いてあるの。」
「思い出?それとこの番号は何の関係あるわけ?普通はないよね?」
蒼瀬が不思議そうにメニュー表と私を交互に見て言う。
「ちょっと長くなるんだけどね、その番号はソネット集の真似なんだよ。シェイクスピアの。」
「シェイクスピア?その人ってロミオとジュリエット書いた人だっけ?」
「そうそう!お父さんがソネット集が好きなんだ。ソネット集は短い詩になっていて、1つの詩が14行で作られているの。恋愛や政治とかがテーマになっているんだよ。そして、テーマに合わせて詩1つ1つに番号が付けられているの。」