君のひだり
そう言って歩き出す蒼瀬。
こんなに楽しそうな蒼瀬見たことないってくらい笑ってる。
私も嬉しくなってずっと笑っていた。
夕方になって私達は屋上に行った。
綺麗な夕日が出てきて、グラウンドにはたくさんの生徒で溢れていた。
「蒼瀬、今日はありがとう。とっても楽しかった。」
「うん。俺もありがとう。それにお化け屋敷入った時すっごい悲鳴で叫んだのは本当にウケた!自分だって黒猫の格好してるのに。」
「だって、怖いものは怖いもん!蒼瀬だってちょっとビビってたくせに!」
「俺はビビってたんじゃないし!!」
2人で馬鹿みたいに騒ぎあった。
「今日、カフェやってて思ったんだよね。食べに来てくれた人が笑ってくると私まで嬉しくなって、頑張って良かったなって思える。」
お父さんが前に言ってたことを思い出した。
料理を作るのは大変だけど食べてくれる人が笑ってくれると、作りがいがある。