君のひだり
「一緒にサッカーするか?」


と言ってニコッと笑った。


初めて年上の男の子に誘われて嬉しくなった俺は一緒にボールを蹴って遊んだ。


その男の子の名前は亜月 あつきと言って、その頃は小学6年生だった。


病院の中にある小さな庭でずっとボールを蹴っていた。


亜月は器用に松葉杖を使って俺がどんなに下手でもカバーしてくれた。


「蒼瀬は何で入院してるんだ?」


今まで家族以外に耳の話はした事が無かった俺は戸惑いながら、


「右耳が聞こえなくて、・・・手術したけど意味なかった。」


小さい声で話す。



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