君のひだり
先生にそう言われてはっとした。


どこかで治らないから仕方ないと決めつけていた反面、治したいと願っていた。


だから、可能性があるなら無駄にしてはいけない。


「一度家族と話してみます。あっ、ていうかこの病院ってどこにあるんですか?」


「あぁ、そうだったね。そこは隣の県の大学病院だよ。」


そこは昔亜月が移った病院だった。


って言うことは、ここから引っ越さなければいけないのか。


「まぁ、一度話してみてくれ。早い内に決めてもらえるといいんだが。」


そう先生に言われて、俺は診察室を出て家に帰った。

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