君のひだり
俺は真っ赤に燃える夕日に向かって呟いた。


手術をする。


せっかくのチャンスを無駄にしたくない。


ここを離れるのは寂しいけど、それは少しの期間だけだ。


それにこのままじゃこれからも誰かに迷惑をかけるかもしれない。


こないだの時のように詩織がいなかったら右から来た人に気付かずぶつかる可能性だってある。


これからもずっとそんな生活が続くのは嫌だ。


俺は拳を握りしめて家に向かって走った。

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