君のひだり
「ごめんごめん。なんか、笑ってるの撮りたくなっちゃって。」


私は恥ずかしくて蒼瀬の背中を叩く。


「じゃあ、一緒に撮ろうよ。ほら、近くに寄って。」


蒼瀬はぎゅっとわたしの肩を抱き寄せた。


私は恥ずかしくて蒼瀬から少し離れようとするけど、


「ほら、こっち向いて!はい、チーズ!」


そのまま抱き寄せられて写真を撮った。


「うん。結構いい感じ。後で送るよ。」


私はこんなに緊張でドキドキするのに蒼瀬は平気そう。


私は意地悪で聞いてみた。


「蒼瀬はこんなに近くで、その、緊張しないの?」


そう言うと顔を少し赤くして、


「緊張、するよ。・・・・でも、それ以上に詩織といるの楽しい。」

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