最後の歌
「なあ有柚?
俺、言わなきゃいけないことあるんだけど。」
「ん、何?」
「うん…えっと……」
「どしたの?」
珍しく言葉に詰まるトモに
何かイヤな予感がした。
「トモ?」
「有柚…。
俺、明日東京帰る。」
「え……。」
明日って急過ぎだよ。
しかも、明日はあたしの誕生日。
やだなあ。
最悪な誕生日になるじゃん。
でも、あたしはトモの彼女じゃない。
「行かないで。」
なんて言える立場じゃない。
せっかくトモのこと好きって気付いたのにな。
やっぱり、あたしとトモは
住む世界が違うのかな。