最後の歌
有柚ちゃんに観光案内をしてもらった日から、電話やメールを頻繁にしていた。
有柚ちゃんから電話やメールが来るとすごく嬉しくて、俺は初恋のように舞上がっていた。
そして、俺の中で有柚ちゃんの存在がどんどん大きくなっていった。
だけど…………………。
俺はもうすぐ東京へ帰る。
ただの遠距離でもキツいのに、俺の仕事は俳優。
有柚ちゃんに辛い思いをさせるかもしれない。
そう思うと、告白なんてできなかった。