最後の歌



『有柚。ちょっと真面目な話するか。』




「真面目な話?」




『俺の仕事のこと。』




「うん。」




『俺、今は事務所と話して、体調の悪いばあちゃんと居る為に仕事休んでるんだ。』




「うん。」




『でも、ずっと休める訳じゃないし3ヶ月って約束で、残り2週間しかない。』




「それは知ってるよ。」




『あと2週間したら俺は東京に戻る。そんで、仕事を再開して俳優の佐藤灯になる。それを理解できる?』




「できるよ!!」




『そんな甘いもんじゃねえぞ。
遠距離だけならまだしも、忙しくてほとんど会えない。堂々と俺の彼女とも言えない。有柚はそれでもいいのか?』




「あたしは、トモが大好きだから別れるなんて考えられない。トモは別れたいの?!」




『別れたい訳ねえじゃん。でも、有柚のこと考えたら別れた方がいいかもしれないとは考えた。』




「あたしのこと考えたら別れた方がいいなんて何?!」




『だから有柚が辛い思いするくらいなら別れた方がいいって思ったんだよ。』




「トモは何にもあたしのこと分かってない!!今日はもう帰って!!」
















あたしはトモを無理矢理追い出した。







そして涙が止まらなかった。












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