黒桜~サヨナラの前に~
――――ドサッ!
最後の一人が倒れ、勝負は終わり。
「……つまらないことしないでください。僕らは君達に構ってるほど暇じゃない。」
「そぉそぉ!今回は特別なんだよ?」
「……2度とこんな下らないことするな。……俺らみたいに裏の世界でコソコソやってねぇで、もっと人前に出ることをやってみろよ。」
「……っ!?」
驚いて顔をあげた奴のパーカーのフードをつかんで脱がした。
なんだ……。綺麗な顔してんじゃん。
「その顔、喧嘩をして傷つけるのは勿体ないですよ。」
そうだ。勿体ねぇことしてんなよ。
上手く使えよ。
「……次会うときは、もっと輝いてろよ。……じゃあな」
ソイツラだけに聞こえるくらいの声で呟いて、あたし達は繁華街を後にした。