黒桜~サヨナラの前に~
胸の中に何とも言えない感情が沸き上がる。
その途端にあたしは動き出していた。
そして、恐らくあれをやった犯人らしき奴等の前に立つ。
「な、なによっ!?」
焦っている一人の腕をつかんで、ドンドンあたしの下駄箱の方に歩いていく。
「な、何?何をするきっ!?」
抵抗しているつもりなのか掴まれている腕をブンブンッ振っている。
だけどそんな事あたしには無駄。
下駄箱に着いて、そいつを見ると、目のふちに涙が溜まっている。
「……クスッ」
今更後悔しても……遅いんだよ?
――――ガンッ!
「きゃ……っ!!?」
あたしはソイツの頭をあたしの下駄箱に突っ込んだ。
「ゲホッ、ゲホォッ!」
こんなことをするから。こんなことになるんだ。
つまらないことをしなければ、こんなことにはならなかったのに。
可愛そうな子。