黒桜~サヨナラの前に~



「あたしも~。」



「そっかぁ。……秋と楓くんは?」


みぃが視線をずらして二人を見るけど、放心状態の二人。


「ソッとしといたら?」



「だね……。あ、お兄ちゃんは…………アッ!」



「……え?お兄ちゃん?」



言ってすぐに口を隠すみぃ。



皆は少なからず動揺している。



それは勿論、……みぃと海が双子だと知っているあたし達でも。



「……どうゆうこと?」



「……お前ら、兄弟……いや、双子だったのか……?」



「……っ!ち、違うよぉ!間違えただけ……」



「……そうだ。俺達は双子だよ。」



「!?」



やっぱり海も気づいていたんだね。みぃが双子の妹だって。



久東 海。久東 来美。



二人はれっきとした双子で。海が双子の兄。みぃが妹。



二人は……親のせいで、離ればなれになったんだ。


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