黒桜~サヨナラの前に~
双子の過去
「俺らは、小学生の頃まで普通の家庭でさ。普通に幸せだったんだ。」
とにかく、動揺している皆を適当に座らせて、海に説明を促す。
あたしはみぃに聞いているからここら辺は知っている。
「だけど……あのときから、あいつが居たから……全部狂ったんだ。」
そう。みぃだって言っていた。
あいつが居たから、全てが狂った。と。
「……俺らはその時は四人家族だった。」
「でも……父親が不倫したんだ。それで、すぐに親は離婚。でも俺らは離れ離れにはならなかった。」
父親の突然の不倫。
二人は勿論。母親だって信じられなかったはず。
だからこそ急いで出した答えが離婚だったのかもしれない。
「母親がまだ幼い俺らを育てるって言って俺らを守ってくれたんだ。もし、父親の方に行っていれば、虐待ぐらいは覚悟したほうがよかったな。」
幼くてもわかる。
母親の元に居たほうが安全だと。
だから二人は、父親には着いていかなかった。