黒桜~サヨナラの前に~



そして、裏庭まで連れていく。



そこで、3人の呼吸が落ち着くまで待ってから、話始める。



「何で今さらここに転校なんかする?」



「またそれかぁ。」



「舞娜、みぃ達はね、舞娜の事が心配だから聞いてるの。ちゃんと答えて。」



……分かっている。3人に心配かけてる事ぐらい。



「あたしだって……」



「え?」



3人に心配かけるくらいなら、転校なんかしたくなかったよ。



「この転校はね、あたしがしたくてした訳じゃないの。」



全部、あの人達の思い通りになっちゃうの。



「ぜーんぶ、親が決めたこと。」



将来のためって言って、自分達が思う通りに動かす。あの人達はそういう人達。



そしてあたしは、あの人達の駒だから。



出来るなら、あたしだって、転校なんかしたくなかったよ。



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