黒桜~サヨナラの前に~
「そうだね!」
二人で人だかりに向かって走っていく。
そして、無理矢理人だかりの中心に行ってみた。
「……げっ!」
その中心に居た奴等を見て、ルルは声をあげる。
「……舞娜ちゃん!海に入って一緒に遊ぼっか!」
ルルに手を握られて、一気に人だかりから抜け出した。
「何して遊ぶ?」
海に向かいながら、二人で笑いあっていた。
「あ!ルルさん!舞娜さん!」
「ん?あ、皆!」
呼ばれた声の方を向くと下っ端君達が何人か居た。
「おぉ!……二人とも似合ってますね!」
「ありがとう!」
「む!舞娜ちゃんは渡さないよ!」
そう言って、ルルはあたしを自分の背中に隠した。