黒桜~サヨナラの前に~
深い闇
深い、深い夢の中。
あたしを孤独の闇に引き込んでいく。
――――――――……
「――――!今日はどこに行こっか?」
「うん。そうだね。今日は……僕の行きたいとこにいっていいかな?」
「?うん、勿論いいよ!」
このときに着いていかなければ……。
あんなことにはならなかった……。
そしたらあたしは、本当の自分を隠さないで、普通の人みたいに普通に暮らせたハズなんだ。
「……ねぇ、どこまで行くの?」
「もう少しだよ。」
深い深い森の中。
あたしは彼についていった。
かれこれ二時間ぐらいは歩いているんじゃないのかな?
「……ここだよ。」
「………え?」
やっと着いたそこは、小さな小さな小屋だった。
外から見る外壁は今にも崩れ落ちそう。恐らく一個しかない窓には鉄格子がついている。