黒桜~サヨナラの前に~
「……舞娜ちゃん……?」
「っ!ルル!?」
朝5時頃にはもうルルが起きた。
あたしはそれまでずっと泣き続けていたから、きっと目元が少し腫れていると思う。
だからあたしは、とっさにタオルケットを顔下まで引っ張った。
「……泣いてたの?」
「え?……泣いてないよ。」
ルルは、……いや、黒桜の人達は全員怖い。
全てを見抜いてしまいそうで。
あたしが嘘をついたって、そんなの意味なんて無さそうで。
本当のあたしを見つけ出してしまいそうで。
大切な仲間のはずなのに……。
なんとも言えない恐怖感に襲われる。
「……何で……あたし達は………仲……」
「ねぇ、ルル。あたし、少し風に当たってくる。」
『何で……あたし達は……仲間でしょ?』
ルル、あたし達は仲間でも、きっとまだ上部だけの仲間なんだよ。
心のそこから繋がっている。とは、言い切れない。