黒桜~サヨナラの前に~
大嫌い
朝日が完全に昇ったころ、あたしはホテルの部屋に戻った。
中に入ると、ルルが着替えている。
「……。」
「……。」
……気まずい。
明らかに気まずい空気が流れている。
さっきあんなことをした手前、どうゆうふうに話しかければ良いのか分からない。
少しだけ混乱しながらも、あたしもパジャマからラフなワンピースに着替えた。
―――コンコン
ドアがノックされて、開く。
「……お前ら、そろそろ行くぞ……って、二人とも水着着てるか?」
今日も皆で海に行って遊ぶ。
だけど、あたしはそんな気分にはなれなかったから、水着は着ていない。
連は普通に服を着ているあたし達をみて驚いた。
本来なら、水着を着て、上からパーカーを羽織れば良いだけだから。