黒桜~サヨナラの前に~
「んー、ゴメン、着てない。……今日はそういう気分じゃないからさ。」
「……そうか。……ルルは?」
あたしを見ていたけれど、次はルルに視線を向ける。
そうすると……
「……舞娜ちゃんのせいで気分悪いから入らない。」
不機嫌そうにそう言ってから、連を押し退けて部屋を出ていく。
あたしのせい、か……。
「は?ちょ、おい!……どうゆうことだよ。」
一人戸惑っている連を見た後、腰をゆっくり触る。
「連、ゴメンね。……行こ?」
笑顔を作って、あたしは連の方に歩く。
そして、部屋を出て、皆が待っていると言うホテルの玄関まで歩いていく。
連は時折あたしの顔を見て、何か言いたそうにしているけれど、あたしはそれに気づかないふりをする。
……ゴメンね、酷い子で、ゴメン。