黒桜~サヨナラの前に~
「……絶対に良いって言うまでバレんじゃねぇぞ。……行くぞ。」
「はぁい!」
「そんなへまはしませんね。」
「……。」
誰もいない黒桜の倉庫を出る。
倉庫から少し離れたところに置いていたバイクに乗る。
エンジンをかけて、警察に見つからないように恋蘭の倉庫へ向かう。
黒桜の倉庫から恋蘭の倉庫に着くのは案外速かった。
着くとやっぱり交戦は始まっていて。
「はぁ、やってるねぇ!」
楽しそうにキラキラ目を輝かせる白。まぁ、本当ならそんな風じゃないと思うけど。
その『姿』に成り変わるのがあたし達だからね。
「……このまま待っていても黒桜が勝つんじゃ無いんですか?」
「あ、確かにぃ!」
そう。今もずっと、黒桜が押してる。
だけど……
「あたし達は黒桜の仲間だろ?……仲間が頑張ってるのに、ただ見てるわけには行かねぇよ。」