黒桜~サヨナラの前に~
真実
「ねぇ、瑠璃南、優良。」
黒桜の皆と恋蘭の倉庫を出ようとしているとき。
「………あの二人に宜しく言っといてよ。」
あたしがそう言うと、二人は目を見開く。
「あ、あのときの?」
その質問には答えないであたしは静かに微笑んで倉庫を出る。
そうだよ。あたしはあのときの子。
阪上兄弟が四人兄弟なんて間違いなんだね。
正確には二人なんだ。
あたしを助けてくれたあの二人は………優良と瑠璃南なんでしょ?
きっと優良と瑠璃南は阪上兄弟の従兄弟なんだよね。
「………サヨナラ、ありがとう。」
そう一言呟いて、あたし達は黒桜の倉庫に戻る。
「全部、話せよ。」
「……うん。」
冷たく感じるけど、本当は心配してるんだよね。
ありがとう………。
皆が仲間で、本当に良かった。