黒桜~サヨナラの前に~
「来美!!」
近くにいた看護師に場所を聞いて、来美のところに来た。
「みん、な……」
椅子に座って、涙目になっている来美の声は頼りない。
「……なんで、こんなときに……。クソッ!」
「………白也君。」
「……お前らは、全部知ってたのか?」
「………あぁ、全部、知ってたよ。……舞娜はずっと苦しんでたんだ。………阪上兄弟に監禁された一年後ぐらいから。」
うつむいて、涙を堪える陸。
いつもなら絶対に見れない。
「……ストレス、だったり、環境が舞娜にとって駄目なところだったりで………病気に、なった、の……っ!」
病気………?
しかも、そんなずっと前から……?
「黒桜の皆は知らないけど、姉貴、少し前にも倒れたんだ。」
「えっ?」