黒桜~サヨナラの前に~




黒桜の皆は、白達とは正反対だったよ。


ただ、あたしの心に真っ正面に向き合って、本気でぶつかり合ってきて。


あたしをあまやかさないで、苦しいくらいにあたしに黒桜という存在をぶつけてきた。


最初はそれが、嫌で仕方なかったな。


でも……きっと嬉しかったんだね。心はすごく喜んでいたと思う。


結局は最後、こうなるのが悲しいなぁ………。








あたしは、いつのまにか黒桜の皆が大好きで、守りたい、一緒にいたい、そんな気持ちがいつの日かあたしの心の中に積もっていた。



そして、それが心の中いっぱいにたまった。



皆も知っていると思うけど、あたしは仲間を作るのが大っ嫌いだった。


過去に恋蘭とか、阪上兄弟とかが関係しているのもあるけれど。それだけじゃない。


人を……皆を傷付けるのが怖かったんだ。



『皆を傷付けるな』とか、『仲間を傷付けたらあたしが許さない』とか。



全部、あたし自身に言ってたのかも。

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