黒桜~サヨナラの前に~
懐かしみながら見ていると、時々涙が出てきます。
それほど、皆はあたしの心に深く記憶に残っている人達なんだよ。
あたしはその宝物を……
一生、大切にするからね。
バラのように美しく、トゲのあるものはいつまでたっても大切な思い出である。
あたしはその思い出に一本のバラを側に置いた。
ねぇ、皆は知っている?
一本のバラの意味を……――――
知っているのなら、あなたは嘆き悲しむでしょうか。
苦しみ崩れ落ちてしまうでしょうか。
知らないのであれば、それは幸運と思っても良いでしょう。
どうか、あたしの元に来るときに、全てを知って来てください。