黒桜~サヨナラの前に~
けれど、バラの意味だけを知ることが出来なかったのであれば、あたしが教えて差し上げます。
『ねぇ、舞娜。』
可愛らしく小首を傾げた彼女はあたしに向かって話しかける。
『なに?』
ここでは年を取らないから、ずっと高校生の時で止まっているあたし。
『このバラって何でここに置いているの?』
大切な思い出の側に置いてあるバラ。
それを見つけた彼女はバラを見つめ、質問をした。
『……仲間に意味を伝えるためよ。』
『仲間に……?』
そう。今はまだ会えないけれど、必ず会える。
そう信じている。
『そう。……一本のバラの意味を知っている?』