黒桜~サヨナラの前に~
番外編
~連side~
『もしもーし、聞こえてる~?』
「……おう。」
『なら、良いや。それで、どうするの?今日行ける?』
「あぁ。絶対行く。」
『……了解。前と同じところな。それじゃ、遅れんなよ~』
相変わらず、軽そうな秋との電話を切って、ネクタイを締める。
今日は、舞娜の五回目の命日。
毎年、皆で集まって墓参りに行く。
それで今回もそうなるから、一応秋が代表して皆に電話しているって自分で言っていた。
「やべっ、もうこんな時間かよ……」
壁にかけてある時計をチラ見してから、鞄を手にとって急いで家を出た。
俺は今、社会人になっている。
俺の他にも楓と来美もだ。
他の奴等は大学四年生。
全員22歳になった。