黒桜~サヨナラの前に~
「これ以上うちを汚すようなら、どっかに行ってちょうだい。」
いつもそう。あたしは、いつも嫌われ者。
「行こう。」
「あ、うん。」
戸惑いながらも、あたしに続いて部屋に行く階段を登る。
「舞娜、大丈夫……?」
部屋に入って、みぃが遠慮がちに聞いてくる。
「……うん。平気………!」
どれだけ傷ついて、涙を流して、また新たな困難で涙を流すのだろう。
嫌われ者。なんて、分かってる。
3人だってあたしのことを嫌っているかもしれない。それでも、離れないのはあたし。離れられないのは、あたしが弱いから。
「……ごめんね。」
もう少しだけ、側に居させて。
強くなったら、皆から離れて一人で生きていくから。