黒桜~サヨナラの前に~
あたしが触れた場所には……思い出したくもない最悪な過去からできた傷。
実はこのせいであたしは、人を信じるのが怖くなった。
あいつらのこともあるのにね。
「………めんどくさい。」
全部……全部消えてしまえばいいのに。
お風呂から上がったあと下着を着て、鏡の前で髪を乾かす。
そして、舞華の服を着る。
「さて、と……。今、何時だろ。」
ふと思い、リビングに行って、時計を見る。
今は、11時18分。
早いけどもう行こっ。幸ちゃんの所に居ればいいしね!
思い立ったら早いあたし。すぐに家を出て、学校に向かう。
て、あ!あたし、学校にバイク置いたままだった!そうだよ、濡れたまま乗るのはやだなって思って置いてきたんだ!
「……歩くのか。」