黒桜~サヨナラの前に~
「お前……何で戻ってきたの?」
またそれか。
ため息を1つ吐いてソイツを睨みながら言う。
「……あんたらと決着着けるため。」
結局はあたしも親の言いなりだな……。
「だから!それが気にくわないのっ」
……なんだそれ。そんな風に自分勝手なこと言われても困る。
「まぁ、とにかく、俺らに関わんなよ、裏切り者さん。」
「……っ!」
「裏切り者」それはあたしが一番聞きたくない言葉。
あたしがうつむいてる間にそいつらは去っていく。
あたしの脳裏にはあのときの事が勝手に映し出される。見たくもない、思い出したくもない。
最悪な過去のうちの1つ。
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あたしは昔、「恋蘭~れんらん~」の姫だった。