黒桜~サヨナラの前に~



「お前……何で戻ってきたの?」



またそれか。



ため息を1つ吐いてソイツを睨みながら言う。



「……あんたらと決着着けるため。」



結局はあたしも親の言いなりだな……。



「だから!それが気にくわないのっ」



……なんだそれ。そんな風に自分勝手なこと言われても困る。



「まぁ、とにかく、俺らに関わんなよ、裏切り者さん。」



「……っ!」



「裏切り者」それはあたしが一番聞きたくない言葉。



あたしがうつむいてる間にそいつらは去っていく。



あたしの脳裏にはあのときの事が勝手に映し出される。見たくもない、思い出したくもない。



最悪な過去のうちの1つ。








*****************


あたしは昔、「恋蘭~れんらん~」の姫だった。

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