黒桜~サヨナラの前に~



女のあたしが認めたんだからね?



『瑠璃南ちゃん、宜しくね?』



今もなお皆に囲まれている瑠璃南の所に行く。



『……宜しくぅ!』



この時少しでも不信に思っていれば……。瑠璃南は最初にあたしを軽く睨んだ。



近くにいるあたしにしか分からないぐらいに。



でもあたしは、みまちがいだって勝手に思い込んで、瑠璃南と皆で過ごした。




それから、あの事件が起きた。



その日は幸ちゃんに用があって、皆に先に行ってていいよ、って言って、あたしだけ遅れていった。



でも、これが間違いだった。



『すぐ終わるから待ってて』とか。『着いてきて~!』とか。



そう言って、皆と一緒にいけば良かった。


皆は優しいから着いてきてくれるのにね。



『皆!遅れてごめ……え?』


< 39 / 196 >

この作品をシェア

pagetop