黒桜~サヨナラの前に~
女のあたしが認めたんだからね?
『瑠璃南ちゃん、宜しくね?』
今もなお皆に囲まれている瑠璃南の所に行く。
『……宜しくぅ!』
この時少しでも不信に思っていれば……。瑠璃南は最初にあたしを軽く睨んだ。
近くにいるあたしにしか分からないぐらいに。
でもあたしは、みまちがいだって勝手に思い込んで、瑠璃南と皆で過ごした。
それから、あの事件が起きた。
その日は幸ちゃんに用があって、皆に先に行ってていいよ、って言って、あたしだけ遅れていった。
でも、これが間違いだった。
『すぐ終わるから待ってて』とか。『着いてきて~!』とか。
そう言って、皆と一緒にいけば良かった。
皆は優しいから着いてきてくれるのにね。
『皆!遅れてごめ……え?』