黒桜~サヨナラの前に~
倉庫に入ったとたんに向けられる冷たい視線。それには『軽蔑』『憎悪』いろんなものが混じってた。
『ど、どうした、の……?』
怖くなって、少し小さくなる声。
あたしが聞いたら、下っ端達がドンドン脇に反れていく。
だからあたしは足を踏み出して、真ん中を歩く。
『えっ……』
そこで見た光景は驚くもので。
瑠璃南が幹部の皆の中心でしゃがみこみながら泣いていた。
『瑠璃南!?どうした……』
ボロボロになっている瑠璃南に近付こうとする。だけどそれは、幹部のみんなによって遮られた。
『!?ちょっと、何する』
『お前が瑠璃南のこと苛めてたんだってな。』
そう言われて、一瞬頭が真っ白になった。