黒桜~サヨナラの前に~
あたしの悲痛な叫び声は、大きなシャッターの音でかき消されていった。
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思い出したくもない最悪な過去。
恋蘭に裏切られてから、あたしは強くなった。ま、陸たちも巻き込んでだけど。
「あっ、いた!舞娜!!」
自分の名前が呼ばれ、その声の方向に顔を向ける。
「あ、陸、みぃ!おっそーい。」
まったく、二人が遅いからあたしは最悪な過去を最後まで思い出しちゃったよ……!
「舞娜が急に呼ぶからスッゴい焦ったんだよ!」
「あはは~!ごめーんっ」
「ったく!ところで白は?」
「ん?まだ来てないよ?まぁ、白は歩き出しね。」
そう。白は歩き。朝はあたしのに乗せて行ったから良かったけど。
「……あ!来たよっ」