黒桜~サヨナラの前に~
ひとつの命
「ふぁぁ~……!」
青空の下、大きく伸びをする。
「でっけぇ、欠伸。」
陸をボッコボコにした後、あたしは家を出る。
仕方ないじゃん。だって昨日は午前1時まで動いてたんだから。
あたしだって、そんな遅くまで動いてるなんて思わなかった。
最近行ってなかったから、大分荒れてた。だから、結構めんどくさかったなぁ。
バイクを出して、飛び乗る。
「舞娜ぁ」
「んー?」
家から出てきたみぃに曖昧な返事をする。
「今日、ちょっと幸谷さんに用事あるから、舞娜の学校にお昼過ぎ行くねぇ。」
「んー。分かったぁ。」
お昼過ぎ……。校門に居ればいっか。
「それじゃぁ、あたしもう行くね。」
遅刻しちゃいそう。なんて思いながらエンジンをかける。