黒桜~サヨナラの前に~
薄れゆく意識のなか、最後に目にとらえたのは……
あいつらの、酷くひきつった顔。そして、遠くから聞こえてくるあたしを大声で呼ぶ声。
その声はあたしをとても安心させた。
そのまま、あたしの意識はプツンっとそこで途切れる。
~陸人side~
「舞娜!舞娜!聞こえるか!?」
「姉貴っ!おい!」
「舞娜……っ」
俺らは三人で歩いて学校に向かっている途中だった。
そこで、遠くに恋蘭と舞娜が見えたから、大分焦って、走ってそこに近付いていったんだ。
その時、舞娜がバイクごと倒れていくのと同時に車がそこに向かっているのが分かった。。
俺らは大声で舞娜の名前を呼んだ。でも、届くわけも無くて、ついた頃にはもう、手遅れだった。