黒桜~サヨナラの前に~
『え?学校サボって旅行してるって聞いたよ?』
あの女とか、アイツって言うのは、多分嚶崎 舞娜の事なんだろうな。
ここ1週間学校に来ていない。
中には『逃げた』って言ってる奴等も居る。
「……マイマイ、大丈夫かな?なにしたんだろ?」
俺らは屋上にたまって、嚶崎 舞娜の話をしていた。
「逃げたって言うのはあり得ない話だよね~。だって、あの子、逃げる性格じゃ無さそうだもん」
「うん。……舞娜ちゃんは絶対に逃げないと思う。」
俺だってそう思う。だけど、アイツの手掛かりが何も無い。
「……静かに。」
今まで黙っていた海が突然声をあげた。
「……どうしたの?」