黒桜~サヨナラの前に~
同じように声を潜めて、海を見ると、一点を見ている。
「話し声。」
俺らよりも耳がいい海が言うんなら、誰かが向かってきたんだろ。
俺らは気配を消し、ちょうど視覚になっている所に隠れた。
―――――ガチャ!
「なぁ、どうする?」
「知らねぇよ!アイツが悪りぃんだろ!」
「あのまま死んじゃったら、瑠璃南たちどうなるんだろぉ……。」
「っ………!」
屋上に入ってきたのは恋蘭の奴等だった。
「何の話してんだ?」
「さあ?もう少し聞いてみよう。」
小声で話し合ったあと、また、あいつらの話に耳を傾けた。
「知らねぇよ。……裏切り者が勝手に自殺しようとしただけじゃねぇか。」
「裏切り者……って、舞娜ちゃんのこと?」
「多分な。つーか、自殺って……」