黒桜~サヨナラの前に~
――――ドンッ!!
俺はすぐ側にあった、壁を思い切り叩いた。
「誰だ!?」
パラパラとコンクリートが落ちていく。
だけど、そんなの俺には関係ねぇ。
「舞娜に何した……!?」
恋蘭の奴等の前に立ちはだかり、総長の大久間 洋の胸元の襟を掴んだ。
~舞娜side~
意識が浮上する。
目が覚めるのかな?また、あの世界に戻るのかな……。
「……な、起き、ろ………!」
ん?誰の声?何だろう、安心するな。
「舞娜、起きろ!」
「……ぇ?」
大きめの声にハッキリとした意識。
この声は、繋がっている手の温かさは……
「………り、く……?」