黒桜~サヨナラの前に~



必死に笑顔を向ける。



「ま、舞娜ぁ!良かった、心配だったんだよぉっ!!」



そうすると抱きついてきたみぃ。だから、あたしもソッと抱き締める。



「うん。ゴメン、ネ……。……皆、心配かけてゴメン。後、ありがとう………!」



皆のお陰で、あたしはまだ3人といれるよ。



これ以上の幸せは……望んじゃいけないね。



抱き締めあったり、泣きあったり。



そんなあたしたちを温かな太陽は見守ってくれていた。



優しい風があたしたちを包み込む。



窓からゆっくり入ってきて、静かに柔らかくあたしの髪を揺らした。









「皆、学校行こっ!遅れるよ~」



あの事故から目が覚めて、あたしは3日間入院をした。



退院後も大事をとって、1週間学校を休んだ。だから、今日はあたしにとって、久しぶりの学校。



「もぉ、すっかり元気になったねぇ~」


「うん!完全復活!」


階段を降りながら、みぃと話していた。一階に着いたとき、


「……ぁ……」








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