黒桜~サヨナラの前に~
「ひとつ。
仲間なんて、作ってもめんどくさいから。
ふたつ。
仲間なんて、作ってもただの友達ごっこにしかならないから。
みっつ。
仲間なんて、作っても傷つけ合うだけの、脆い関係だから。
そして、よっつめ。
仲間なんて、作っても……最後は裏切るだけの関係だから。」
あたしが仲間を作らない理由。
そんなの至って簡単でしょ?
「………俺らは裏切らねぇ。」
「言葉だけでしょ、そんなの。知ってる?言うだけなら誰でも出来る、簡単なことなのよ……!」
コイツらと居ると、何故か自分のペースが崩れていく。
……入ってこないで。あたしの世界を壊さないで。
何年もかけて、この鉄壁の壁を作り上げてきた。
今までこの鉄壁の壁を超えた人なんて誰一人として居ない。
ましてや、壊されることだって無かった。
本当の自分を知られたくない。醜いあたしを見付けないで。
そんな思いをコイツらは自然と和らげていってしまう。
陸達だって触れること、近付くことさえ出来なかったのに。コイツらなんかに、それが出来るわけがないんだよ。