黒桜~サヨナラの前に~
「確かに俺らは、お前にしてみればまだまだ信用できねぇよな。でも、そんなの関係ねぇ。」
――――あたしに近付かないで。
そんなのはただ自分を守るだけの言葉だった。
「私たちは舞娜ちゃんを救いたい!」
本当は、誰かにすがり付いていないと立ってもいられないくらい、ボロボロで。
「マイマイ、僕たちは裏切らないよ。」
――――心が悲鳴をあげている。
そんなのもうとっくに気付いていた。
でも、あたしはそれを無理矢理奥底にしまいこんだ。
「……お前だから、言ってるんだ。」
本当は、誰かに必要とされたかった。
独りが怖かった。孤独が寂しかった。
「おいでよ、舞娜ちゃん。」