黒桜~サヨナラの前に~



そう言って、あたしを暗闇から救い出してくれる、そんなことを夢に見た。







「皆、急に集まってもらってゴメン。」



「いや、大丈夫。それより……何で黒桜の倉庫なんかに来なきゃいけないんだ?」



「俺も気になる。姫になるって話は朝に断ったし。」



確かに朝は断った。



だけど、あのときあたしが連の手を取ったってことは、必然的にあたしは黒桜の姫になる。



その事をすぐに3人に伝えたくて、わざわざ集まってもらった。



みぃは、陸情報だと先生に捕まったって。だからまだ来ていない。



「……その事なんだけどさ、あたし……黒桜の姫になった。」



「……は?」



見事にシンクロした二人の声。



そこから数分、口を開けたままピクリとも動かない。



「……勝手に決めてゴメン。だけど……っ」



――――バンッ!!



あたし達の中央にあったテーブルを陸は思いっきり叩く。











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