黒桜~サヨナラの前に~
そう言って、あたしを暗闇から救い出してくれる、そんなことを夢に見た。
*
「皆、急に集まってもらってゴメン。」
「いや、大丈夫。それより……何で黒桜の倉庫なんかに来なきゃいけないんだ?」
「俺も気になる。姫になるって話は朝に断ったし。」
確かに朝は断った。
だけど、あのときあたしが連の手を取ったってことは、必然的にあたしは黒桜の姫になる。
その事をすぐに3人に伝えたくて、わざわざ集まってもらった。
みぃは、陸情報だと先生に捕まったって。だからまだ来ていない。
「……その事なんだけどさ、あたし……黒桜の姫になった。」
「……は?」
見事にシンクロした二人の声。
そこから数分、口を開けたままピクリとも動かない。
「……勝手に決めてゴメン。だけど……っ」
――――バンッ!!
あたし達の中央にあったテーブルを陸は思いっきり叩く。