黒桜~サヨナラの前に~
「充分考えて出した結果がこれだよ。」
「……それなら尚更だ。」
二人の断固拒否する姿を見ていると、だんだん目頭が熱くなる。
「……何で、認めてくれないの?」
自然と視界も下がっていき、声も震えてしまう。
「………心配なんだよ。」
「えっ?」
予想外の答えに下がっていた視界も上がり、二人を捉える。
「また、裏切られて、傷つくのは舞娜だから。だから、もう二度と辛い思いはさせたくない。」
「勿論姉貴が仲間になりたいって言う奴等だから、悪い奴等じゃないことは分かってる。」
二人は、あたしのことを、ただ心配していた?
だから、認めなかったの?
………なんだ。そういうことか。
「ありがとう。」
「え?」
「心配してくれてありがとう。……でも、大丈夫だよ。今度こそ、自分の身は自分で守るから。」
あのときのことを不安に思ってあたしを遠回しに守ろうとしてくれていたんだね。