黒桜~サヨナラの前に~



「あ、いつ行くの~?」



「えー?どうする?」



「……夏休みに入って……ん?夏休みに入って?」



自分で言って、自分で気付いた。



「夏休み前に期末テストあるよね?」



「……あ。」



「え?今更気付いたの?」



なんて、一人すました顔で余裕そうに言う白に一瞬イラッと来た。



「ねぇ、この中にバカな人っている?」



恐る恐るって言葉がピッタリなくらいゆっくり聞いてくるみぃ。



だけど、その言葉にはどこか安心のようなものが混じっている気がする。



そしてその横では陸と白は何かを喋っている。



まぁ、あそこの三人は頭いいしね。



白なんて私立の生徒会長なんだから、凄く頭がいい。



陸もみぃも二人の学校ではいつもテストの時は一位と二位を取っている。



だから、勿論余裕なんだろうね。


「……ん?」



一人で悶々と勝手に考えていると、沢山の視線を感じた。



下がっていた目線を上に上げると、皆があたしをガン見している。


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