黒桜~サヨナラの前に~
本当の姿
「あのさ、楓君。」
「……はい。」
「あたしは不思議で仕方無いよ。どーやったらこんなに間違うのかな?」
「ヒイィィィ!スミマセーンッ!!」
今日は期末テストの1週間前の放課後。
あたしは図書室でスパルタ気味に楓に勉強を教えてる。
「ねぇ………ちょっと、あれ見てよ。」
「……うわぁ、何であの女があの人達と居るわけぇ!?」
「また媚でも売ったんでしょ。……サイテー。」
テスト前の図書室はいつも勉強に来る人達がいる。
それもそのはず。
うちの学校はテストがモノすごーくっ難しい……はずだった。
しかも、赤点とった人は夏休み中ほとんどが補習。
それに、追試も無し。
だから一発合格しないとかなりつまらない夏休みになる。
だから楓は焦って勉強しているのに。……邪魔しないで。五月蝿いから。
「何でお前らと裏切り者が一緒に居るわけ?」
勉強を教えている途中で聞こえてきた声。